釣り糸っていろいろ種類があるけど、何が違うの?
このような疑問にお答えします
こんにちは、wakkaです。
今回は、『ラインの基礎知識』について記事にまとめました。
この記事を読めば、ラインの種類や選ぶ際の基準などの疑問をきっと解消できると思います。
ご説明するポイントはこちらです。
- よく使われる3種類のライン素材とその特徴
- ラインの号数(強度)の考え方
釣りに用いるラインの種類は主に3種類
一般的によく用いられるラインの素材は、「ナイロンライン」「フロロカーボンライン」「PEライン」の3つです。
それぞれの特徴や違いについてお伝えしていきたいと思います。
ナイロンライン
ナイロンラインは、様々な釣り方に使用できる定番素材です。
そのしなやかさゆえにライントラブルが発生しづらく、初心者の方にとっても扱いやすいラインの1つです。
糸自体の比重が軽めで水に沈みにくく、根掛かりの心配などは少なくなります。
また、フロロカーボンほどではありませんが、PEに比べると根ズレに耐性があります。
一方で、伸縮性が高いことからフロロカーボンやPEに比べると感度が悪く、魚のアタリがわかりづらいといった特徴もあります。
そして吸水性が高く紫外線にも弱いので、ラインの劣化が他の素材に比べて早いです。
比較的安価に入手できるラインではありますので、前回の釣行から数ヶ月経っていたり、すでに何度か釣行しているようなら巻替えても良いかもしれません。
- ライントラブルが少なく、初心者でも扱いやすい
- 水に沈みにくく、根掛かりが少ない
- 比較的安価なため、頻繁に交換しやすい
- 伸縮性が高く、アタリがわかりづらい
- ラインの劣化が早い
フロロカーボンライン
フロロカーボンラインは、ハリスやショックリーダーとして多くのアングラーから愛用されているラインです。
ナイロンに比べてハリやコシがあり、根ズレに非常に強い耐性を持っています。
そのため、道糸の先で使用するハリスや、ルアーと結ぶショックリーダーとして用いられます。
また、伸縮性能が低いため張った状態を作りやすく、魚のアタリがわかりやすいです。
ハリがあるためゴワっとした印象があり、リールに巻く道糸としての使用はあまり向きません。
フロロカーボンラインを道糸として使用する場合もあるようですが、その場合は道糸用に作られたソフトタイプのラインを使用します。
- 他の2種類に比べて、根ズレへの耐性が非常に強い
- 魚のアタリがわかりやすい
- 道糸として使用するときは専用タイプがよい
- 引っ張る力には弱い
PEライン
PEラインはご紹介した3つの中でもっともしなやかさがあり、高密度ポリエチレンの細い繊維を何本も撚って作られているという特徴を持ちます。
釣り具屋さんやネットショッピングで多く見かけるのは主に4本撚りと8本撚りです。
引っ張られる力に強いというメリットがありますが、根ズレにはとても弱いです。
そのため、メインラインや道糸として多用されており、沈み根や魚の歯に当たりやすい先端の方はフロロカーボンラインをショックリーダーやハリスとして組み合わせることが多いです。
他の2種と同じ強度(号数)を選んだ際に、糸の太さが非常に細いといった特徴もあります。
- 引っ張る力に非常に強い
- ラインが細く、遠投性能にも優れている
- 根ズレに弱い
特徴まとめ
ご紹介してきた特徴をまとめると、下表のような感じになります。
種類 | ナイロン | フロロカーボン | PE |
---|---|---|---|
伸縮性 | ◎ | ○ | △ |
引っ張り強度 | ○ | △ | ◎ |
耐摩耗 | ○ | ◎ | △ |
アタリの感度 | △ | ○ | ◎ |
遠投 | △ | ○ | ◎ |
沈みやすさ | ○ | ◎ | △ |
コスト | ◎ | ○ | △ |
こうして並べると、素材によって特徴が様々であることが一目瞭然だと思います。
とはいえ、「この素材を使うべき」といったことはないので、皆さんの釣りに合わせていろいろと組み合わせていただければよいかと思います。
初心者の方は、まずは他のアングラーさんがどんなラインを使ってその釣りをしているのか調べてみて、多数派に倣っておけばまず間違いないはずです。
ラインの強度について
続いて、ラインを選ぶ際に必ず目にする「号数」と「lb(ポンド)」について、それぞれ解説します。
ラインの「号数」
ラインには必ず「号数」の表示があります。
ナイロンやフロロカーボン、ポリエステルにおいて「号数」はラインの太さを表した指標であり、主に国産品の釣り糸に関しては日本釣用品工業会(JAFTMA)によって標準化されています。
基本的な考え方としては、号数が大きければ大きいほどラインが太くなります。
ラインの規格は下表の通りです。(抜粋版)
号数 | 標準直径(mm) |
---|---|
0.1号 | 0.053 |
0.6号 | 0.128 |
0.8号 | 0.148 |
1号 | 0.165 |
1.5号 | 0.205 |
2号 | 0.235 |
3号 | 0.285 |
5号 | 0.370 |
10号 | 0.520 |
20号 | 0.740 |
詳細版は下記、もしくはJAFTMAに掲載があります。
ナイロン、フロロカーボン、ポリエステルの号数と太さの関係(詳細版)
号数 | 標準直径(mm) |
---|---|
0.1号 | 0.053 |
0.15号 | 0.064 |
0.2号 | 0.074 |
0.25号 | 0.083 |
0.3号 | 0.090 |
0.35号 | 0.097 |
0.4号 | 0.104 |
0.5号 | 0.117 |
0.6号 | 0.128 |
0.8号 | 0.148 |
1号 | 0.165 |
1.2号 | 0.185 |
1.5号 | 0.205 |
1.75号 | 0.220 |
2号 | 0.235 |
2.25号 | 0.248 |
2.5号 | 0.260 |
2.75号 | 0.274 |
3号 | 0.285 |
3.5号 | 0.310 |
4号 | 0.330 |
5号 | 0.370 |
6号 | 0.405 |
7号 | 0.435 |
8号 | 0.470 |
10号 | 0.520 |
12号 | 0.570 |
14号 | 0.620 |
16号 | 0.660 |
18号 | 0.700 |
20号 | 0.740 |
22号 | 0.780 |
24号 | 0.810 |
26号 | 0.840 |
28号 | 0.870 |
30号 | 0.910 |
40号 | 1.050 |
50号 | 1.170 |
60号 | 1.280 |
70号 | 1.390 |
80号 | 1.480 |
90号 | 1.570 |
100号 | 1.660 |
110号 | 1.740 |
120号 | 1.810 |
150号 | 2.030 |
200号 | 2.340 |
PEラインにおいても「号数」は太さを表しますが、上記の3種類のように標準直径(mm)で標準化されているわけではなく、d(デニール)という質量を表す単位で標準化されています。
「d(デニール)」は「長さ9000mあたりの質量(グラム)」を表しており、例えば長さ9000mの質量が200gの場合は200dとなります。
また、PEラインの太さは1号=200dが基準となっており、号数の変化に応じて数字部分を200dに乗じた値がその号数の太さの値(d)となっています。
(例)0.1号=20d(0.1×200d) 0.2号=40d(0.2×200d)
初心者の方や馴染みのない方にとってはイメージしづらいですよね。
さらにJAFTMAによると「PE糸の許容範囲は、上限・下限のデニールが、前後の号柄の標準値を追い越さないものとする。」とされており、同じ号数表記でも撚り数やコーティングなどの製法、メーカーによって太さが異なるということを意味しています。
ラインの「強力」
号数に続いて、「強力」についてお話します。
「強力」は「lb(ポンド)」や「kg」で表され、ラインの両端を引っ張って切れたときの荷重を意味しています。
例えば、100lbの力がかかった時にラインが切れたのであれば、そのラインの強力は100lbであると表現されます。
※1lbはだいたい453.59gなので、「1lb=450g」とざっくり覚えておけば良いかと思います。
強力はたいていの場合、ラインのパッケージやからボビンに号数と共に併記されています。
一般的に、ナイロンの場合は「号数の4倍程度」、PEラインの場合は「号数の10~20倍程度」の強力を実現すると言われておりますので、目安にしてみてください。
※号数が大きくなるにつれて、誤差が大きくなります。
但し、こちらはメーカーによって表現にばらつきがあり、最大値を表す場合もあれば平均値を表している場合もありますのでパッケージの説明をよく読んで確認することをおすすめします。
強度早見表
ラインの強度に関係する「号数」「強力」についてそれぞれご紹介しましたが、これまでの内容を踏まえてそれぞれの関係を簡単に表にまとめると、下表のようになります。
号数 | ナイロン | フロロカーボン | PE *1 | |||
---|---|---|---|---|---|---|
標準直径(mm) | 強度(lb) | 標準直径(mm) | 強度(lb) | 標準直径(d) | 強度(lb) | |
0.1号 | 0.053 | 0.4 | 0.053 | 0.4 | 20 | 1 |
0.6号 | 0.128 | 2.4 | 0.128 | 2.4 | 120 | 6 |
0.8号 | 0.148 | 3.2 | 0.148 | 3.2 | 160 | 8 |
1号 | 0.165 | 4 | 0.165 | 4 | 200 | 10 |
1.2号 | 0.185 | 4.8 | 0.185 | 4.8 | 240 | 12 |
1.5号 | 0.205 | 6 | 0.205 | 6 | 300 | 15 |
2号 | 0.235 | 8 | 0.235 | 8 | 400 | 20 |
3号 | 0.285 | 12 | 0.285 | 12 | 600 | 30 |
※1 PEラインの標準直径(mm)の規格は定義されておらず、メーカーによって様々です。
まとめ <ライン選びは意外とむずかしい>
いかがでしたでしょうか。今回はラインの種類と基礎知識について説明しました。
内容をまとめると以下の通りです。
- はじめは「ナイロン」「フロロカーボン」「PE」の3つを知っておけばよい
- 号数は太さや耐荷重の基準になる
- PEは号数の示す意味が少し特殊(太さ(㎜)ではなく質量(d))
釣りにおいてラインは生命線です。
いかに細くいかに強いかがとても大事ですが、多くのメーカーがたくさんの種類を販売しています。
この記事を参考に、ターゲットにあったラインを選定して実際に使ってみてください。